不動産を相続したらどうする?6つの節税アイデアを徹底解説
親などから不動産を相続した場合、「とりあえず名義変更だけして放置」という人も少なくありません。しかし、相続した不動産は活用の仕方次第で税金負担を抑えられる可能性があります。
不動産に関わる税金は相続税だけではありません。相続後は固定資産税などを支出していくため、節税についてもしっかり検討することがおすすめです。
そこで本記事では、相続した不動産を対象に「建物」「土地」に分けて、節税につながる具体的な6つのアイデアを解説します。
1. 建物における3つの節税アイデア
建物を相続後、誰も住まない予定であったり、倉庫の扱いなどに悩んだ場合には、空いたままにせずに有効活用を考えることがおすすめです。そこで、本章では建物における3つの節税アイデアを解説します。
1-1 建物を賃貸化する
相続したアパート、マンションといった建物はそのまま賃貸を継続することが最も取り組みやすい節税策の一つです。得られる収入を固定資産税の支払いなどに充当できます。戸建ての場合も同様です。
家賃収入は副収入としてもメリットがあります。注意点として、賃貸で得られる収入は所得税・住民税の対象になります。
ただし、収入が得られれば、不動産所得に経費計上(固定資産税、管理費、火災保険料など)が可能となり、結果的に税負担を抑える方向につながります。
1-2 リフォーム・リノベーションを行う
相続した建物が古い場合、そのままでは賃貸化をしても入居者が入らないケースもあります。その場合は、リフォームやリノベーションを行うことで賃貸化・売却がしやすくなり、結果として税負担の軽減につながります。ただし、リフォームやリノベーションについては規模やデザインによって費用が高くなる可能性があります。
そのため、賃貸化後も重い債務が残る可能性に注意が必要です。
1-3 倉庫や物置を貸す
相続した建物が倉庫や物置の場合も、そのまま貸し出すことで活用できます。例として以下の方法が考えられるでしょう。
- 個人向けの収納スペースとして
- 近隣事業者の資材置き場として
- バイク・自転車置き場として
このような方法で倉庫や物置を賃貸化するメリットには、住居賃貸ほど設備や修繕が不要で、初期コストを抑えやすい点です。
こちらのケースでも、不動産所得に経費計上(固定資産税、管理費、保険料など)が可能です。
2. 土地における3つの節税アイデア
土地の節税は、「使っていない土地をどうするか」に注目することが重要です。有効に生かすためにも、以下の3つのアイデアを参考にしましょう。
2-1 物件を新しく建てる
相続した土地が広い場合や、立地が良い場合は、建物を新たに新築して運用することで節税メリットを得られる可能性があります。
①マンションやアパート
賃貸アパートやマンションを建てると、家賃収入が新たに得られるようになるほか、土地が「貸家建付地」として評価されるようになり、次の相続税には更地(自用地)の状態よりも評価額が下がる可能性があります。
ただし、空室リスクや借入返済の負担があるため、「節税になるから建てる」は危険です。収支計画ありきで判断すべきです。
②駐車場経営
アパート経営ほど大きな投資をせずに土地活用できるのが駐車場経営です。
- 月極駐車場
- コインパーキング
一方で、駐車場は「住宅用地の特例」と呼ばれる居住時に得られる固定資産税の特例が使えないため注意が必要です。「節税」というより「維持費を収益化して負担軽減する」タイプの活用策です。この点については後述します。
③テナント運営
立地が良い土地であれば、新たに店舗やオフィスのテナント運営も検討できるでしょう。テナント運営の強みは以下の通りです。
- 家賃を住居よりも高く設定できる可能性がある
- 長期契約が入りやすい
- 需要がある立地では安定しやすい
もちろん初期投資は大きく、景気に左右されるリスクもありますが、成功すれば収益性が高くなります。
2-2 土地のまま貸し出す
「建てるほどの資金はない」「低いリスクで効率よく収益がほしい」という場合は、土地のまま貸す方法も現実的です。たとえば以下のような貸し方があります。
- 資材置き場として貸す
- 事業者へ定期借地として貸す
土地を貸すことで地代収入が得られ、固定資産税を賄いやすくなります。ただし、借地契約の内容次第では土地の返還が難しくなるケースもあります。契約書の作成は必ず不動産会社に相談した上で慎重に進めましょう。
2-3 トランクルームを設置する
土地活用には「トランクルーム経営」も注目が集まっています。特に町田市のような都市部や住宅街では住まいの中に収納が少ない傾向があり、安全に物を保管できるスペースを探している人は少なくありません。
トランクルームを設置するメリットとしては、建物を建てるより初期投資が小さいことや、テナントやマンション・アパートと比較すると住民トラブルが起きにくく、管理しやすい点が挙げられます。ただし、空室リスクはあります。
3. 住宅を建てることで得られる「住宅用地の特例」とは
相続した土地を活用する方法として、ここまでで紹介のとおり住宅を建てるという選択肢があります。新たに住宅を建てるメリットは収益化だけではなく、税制上「住宅用地の特例」が適用されることで、固定資産税や都市計画税が軽減される可能性もある点です。
本章では住宅用地の特例について解説します。
3-1 固定資産税が下がる
住宅用地の特例が適用されると、固定資産税の課税標準が大幅に軽減されます。具体的には、住宅が建っている土地については以下のような扱いになります。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税標準額は評価額の6分の1
- 一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税標準額は評価額の3分の1
つまり、同じ土地でも「更地」か「住宅が建っているか」で、固定資産税の負担が大きく変わります。相続した土地を活用せずに放置していると、税金だけがかかり続けるため、土地の用途を検討することも重要です。
3-2 都市計画税が下がる
都市計画税についても、住宅用地の特例は適用されます。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税標準額は評価額の3分の1
- 一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税標準額は評価額の3分の2
都市計画税は課税される地域が限られており、市街化区域内に土地や建物を所有している場合に課税される税金です。対象地域では固定資産税と合わせて請求されるため、負担が大きくなります。
住宅用地の特例が適用されれば、この都市計画税の負担も軽減できます。
3-3 ただし税負担は続くことになる
住宅用地の特例は節税効果が大きい一方で、「住宅を建てれば税金がゼロになる」という制度ではありません。土地と建物に固定資産税や都市計画税は発生し、収益には所得税や住民税も発生します。
また、土地活用として住宅を建てた場合は、建築費やローン返済の負担も生じます。
そのため「税金が下がるから建てる」という判断だけでは危険であり、収益性や将来的な売却可能性まで含めた検討が必要です。
関連記事:相続した不動産の固定資産税は誰が払う?町田市の事例や注意点を解説
4. 不動産の有効活用はいつ検討すべき?
相続した不動産の有効活用については、相続が発生してから慌てて考えると選択肢が狭まり、お得な方法を見逃すなどの損をするおそれもあります。不動産の活用は「できるだけ早い段階」で検討することが重要です。
4-1 相続前から家族で検討する
不動産の活用は、可能であれば相続前から家族で話し合っておくことが理想です。相続前に検討しておくことで、誰が相続するのか、売却・活用の方向性についても話し合えます。こうした話し合いをきっかけに家族信託を検討するケースも少なくなく、生前からの有効な相続対策につながります。
特に不動産は、現金のように簡単に分割できません。事前に方向性を決めておかないと、相続後に家族間で揉めやすい財産でもあります。
「まだ元気だから大丈夫」と先延ばしにするほど、いざという時に判断が難しくなります。
関連記事:相続対策に「家族信託」は必要?仕組みやメリット・デメリットを解説
5.まとめ
相続した不動産は、放置すると固定資産税や管理費がかかり続け、資産ではなく負担になってしまう可能性があります。適切な節税アイデアを知り、積極的に活用していくことがおすすめです。ただし、節税だけではなく収益性や管理負担、将来の売却可能性まで含めて総合的に判断することが重要です。
相続にまつわる不動産のお悩みは、町田市を中心に幅広くご相談に対応するまねきや不動産にまずはご相談ください。
