親が施設に入ったら実家はどうする?処分の流れやよくある悩みを解説

高齢化が進む日本では、親が老人ホームや介護施設に入居したことをきっかけに、実家が誰も住まない空き家になるケースが急増しています。町田市や相模原市なども例外ではありません。

 

親が暮らしていた住まいから、離れて暮らす子ども世代との間では、相続を待たずして空き家問題に直面するケースが少なくないのです。そこで、本記事では親が施設に入った際の実家の処分やよくある悩みについて解説します。

 

1. 親が施設に入ると実家はどうする?3つの選択肢とは

 

進学や就職、結婚などをきっかけに親と暮らしていた住まいから別居する方は少なくありません。親が年齢を重ね、介護施設などに入居するタイミングで、誰も住む人がいない「空き家」になるケースがあります。では空き家となった実家の対応には、どのような方法が考えられるでしょうか。本章で3つの選択肢を紹介します。

 

1-1 空き家のまま維持する

 

近い将来、誰かが住む予定であれば空き家のまま維持することが考えられます。住める家を所有し続けることは、複数の居住先が増えるためメリットもあるでしょう。ただし、不審者の侵入や建物の老朽化など、起きやすい問題にはしっかりと備えておく必要があります。

 

1-2 売却する

 

空き家にすると維持コストが発生するため、売却を目指すことも考えられます。親が介護施設などから戻る可能性が低い場合にも検討できる選択肢です。売却で得られた資金は介護施設の入居費や日々の介護費用にも充当できるため、親の生活資金を確保できるというメリットもあります。

 

1-3 賃貸に出す

 

親が介護施設などから戻る可能性は低いものの、将来的に子が相続し資産として維持していきたい場合には賃貸に出すという選択肢もあります。賃貸契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」とがあり、借主が見つかれば安定した収入を確保できるメリットがあります。収入は親の介護費用などに充当できるため、こちらの選択肢も生活資金の確保に役立ちます。

 

一方で、賃貸に出すことによって家賃の滞納など入居者とのトラブルには備えておく必要があり、空き家での維持や売却とは異なった課題が生じることも知っておくべきでしょう。

 

2. 町田市でも増える空き家問題

 

町田市や近郊自治体は東京都の南西端に位置し、玉川学園・鶴川・忠生・相原など、昭和4050年代に開発された郊外型住宅地が多いエリアです。当時、子育て世代として移り住んだ世帯が、いま高齢者となり、介護に関する問題を迎えています。

 

施設に入った時点では「いずれ戻るかもしれない」と考え、実家をそのままにしておくケースも少なくありません。しかし現実には空き家には以下のような課題が発生します。

 

2-1 空き家放置のリスク

 

人が住まなくなった家は、換気が行われないために湿気がこもり、カビや木部の腐食が急激に進みます。また、庭木の枝が隣家に飛び出したり、雑草が生い茂って害虫や害獣の住処になったりするトラブルも後を絶ちません。不法投棄などの治安上のリスク、地震や台風による倒壊・瓦解のリスクも高まり、近隣住民への損害賠償責任を問われる可能性もあります。

 

2-2 重い維持コストのリスク

 

誰も住んでいなくても、不動産である以上は毎年の固定資産税や都市計画税がかかり続けます。また、建物の劣化を防ぐための修繕費、庭木の剪定費用、火災保険料などの維持コストが子世代の家計を圧迫します。

 

3. 親が存命中でも実家は売却できる?

 

親が介護施設などに入所したあと、「親が健在のうちに実家を売却しても法律上問題はないのか」と疑問を持つ方もいます。結論からいうと売却は可能です。ただし、通常の売却とは異なる「名義」と「意思確認」という2つの課題があります。詳しくは以下です。

 

3-1 名義人である親の意思確認が必要

 

実家の名義(所有権)が親自身にある場合、売却手続きができるのは原則として親本人のみです。いくら子どもであっても親の財産を勝手に売却することはできません。

 

売買契約や登記手続きの際には「親に実家を売る意思が確かにあるか」という名義人本人の意思確認が厳格に行われます。

 

3-2 認知症などが進行している場合はどうする?

 

親の認知症などの症状が進行しており、売却の必要性や契約内容を理解できる「意思能力」がないと判断された場合、親が単独で売買契約を結ぶことはできなくなります。

この場合、家庭裁判所に申し立てをして「成年後見人」を選任し、後見人が親の代理として売却手続きを進める必要があります。

 

さらに、売却する物件が親の住まい(居住用不動産)である場合は、家庭裁判所の許可(処分許可)を得る必要があり、売却までに数ヶ月以上の時間と労力がかかってしまいます。

 

関連記事:任意後見で不動産の売却はできる?成年後見制度との違いや注意点を解説

 

4. 親の施設入居前後で相談が増える理由

 

認知症による意思能力の低下が多くなっている今、不動産会社への相談が「施設入居の前後」に集中しやすくなっています。空き家の状態で維持するリスクを避けたいだけではなく、親の施設入居に伴う不動産の相談には、以下のような悩みも多くなっています。

 

関連記事:成年後見人は不動産を売却できる?手続きの流れや注意点とは

 

4-1 介護費用の確保

 

老人ホームの入居費用は月15万〜30万円以上にのぼることも多く、親の年金だけでは支払いが難しいケースが少なくありません。実家を売却して現金化することで、施設費用や生活資金を確保するためにも売却に関する相談が増えています。

 

4-2「施設に入ってからでは遅かった」を防ぐ

 

施設に入所した後に認知症の症状が一気に進んでしまうケースは少なくありません。

意思能力が低下すると売却のハードルが格段に上がるため、入居の話が具体的になったタイミング、あるいは親の意識がはっきりしている段階で、不動産の専門家に相談したいという方も多くなっています。

 

5. 相続前に実家を売却する場合の流れ

 

親の実家を売却する場合、一体どのような流れで進むのでしょうか。本章では売却の一般的なスケジュールについてわかりやすく解説します。

 

5-1 親の意思能力の確認と同意

 

子が売却したいと思っている場合でも、実家の名義人である親に実家の売却について相談し、きちんと同意を得ましょう。

 

売却は親の意思能力がはっきりしており、売却の契約内容を理解できることが前提です。少しでも認知症の不安がある場合は、早めに不動産会社や司法書士に相談しましょう。

 

5-2 不動産会社への査定依頼

 

町田市や相模原市などで売却を検討している場合、物件売却に強い不動産会社に実家の査定を依頼します。いくらで売れそうか、売却にかかる経費(仲介手数料や税金など)がどれくらいかを算出してもらい、手元にいくら残るかを把握しましょう。

 

5-3 整理・荷物の片付け

 

売り出しに向けて、家の中の荷物を片付けます。 親が施設に持っていかない家具や日用品の処分を進めますが、通帳や権利書、アルバムなどの貴重品が残っていることが多いため、家族で確認しながら行います。荷物が多すぎる場合は、専門の不用品回収業者などへ依頼することもおすすめです。

 

5-4 媒介契約の締結

 

売却を任せる不動産会社を決定し、売り出し価格を決めて「媒介契約」を結びます。 親本人が契約行為を行うのが原則ですが、不動産会社に出向くのが難しい場合は、スタッフに自宅や施設まで出張してもらうことも可能です。

 

不動産会社がインターネットやチラシなどで購入希望者を募ります。 購入希望者が現れたら、実家の「内見(見学)」に対応します。価格の交渉や引き渡し時期(施設への完全移行のタイミングなど)の条件は不動産会社を交えて調整しましょう。

 

※この他にも、ご親族への売却や不動産会社への売却も考えられます。詳しくはお気軽にお尋ねください。

 

5-5 売買契約の締結

 

買主と条件が合意に達したら、不動産売買契約を結びます。 契約の席には原則として名義人である親の同席が必要です。施設への出張契約や、司法書士による事前の面談を経て子どもが代理人として契約に臨む方法(委任状の作成)など、親の体調に合わせた方法を不動産会社と相談しておきます。

 

5-6 決済・引き渡し(売却完了)

 

買主から売却代金の残金を受け取り、同時に実家の鍵と所有権を渡します。実家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、売却した年の翌年に確定申告を行う必要があるため注意しましょう。

 

6.  施設入居後の実家売却でよくある質問

 

本章では親の施設入居にともなう実家の売却時によくある質問を紹介します。これから売却に臨まれる方はぜひ事前にご一読ください。

 

6-1 親が施設入居に伴うタイミングで名義変更はできますか?

 

できます。ただし、名義人である親本人の判断能力が必要です。名義変更は「売却」もしくは「贈与」となり、それぞれお金の流れが異なるため慎重に判断する必要があります。

 

例えば親から子への売却に同意し、契約書への署名・捺印ができれば、施設入居中でも売却手続きは進められます。まずは不動産会社に査定を依頼し、親と一緒に説明を聞く場を設けることから始めましょう。

 

6-2 実家に荷物がそのまま残っていますが売却の相談はできますか?

 

荷物があっても相談・査定は可能です。 実際、「荷物が残ったまま」の状態でご相談に来られる方は決して少なくありません。不用品の処分・整理は、売却後に対応することもできます。 売るかどうかまだ決めていなくても、相談や査定も可能ですので、まずはお気軽に不動産会社へご相談ください。

 

7.まとめ

 

親が施設に入ったことをきっかけに、実家が空き家になるケースは町田市でも着実に増えています。放置すれば建物の劣化・固定資産税の負担増・近隣トラブルといったリスクが積み重なり、売却しにくい状態になってしまいます。

 

最も大切なのは、「認知症になる前」「相続が発生する前」に動き出すことです。親が判断能力を持っているうちに家族で話し合い、専門家に相談しておくことがおすすめです。まずはお気軽に町田市を中心に多くの相続・生前からの不動産売却に対応している『まねきや不動産』へご相談ください。

 

 

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