相続には現金と不動産のどちらが有利?おすすめ対策を解説

「親から相続するなら、現金と不動産のどちらがいいのだろう?」

「相続税を安く抑えるためには、今から何を準備すべきか?」

 

将来の相続を考える際、多くの人が直面している課題に「資産をどのように相続するか」が

挙げられます。

 

税務上の評価額を抑えるという点では「不動産」が有利ですが、遺産分割のしやすさや納税

の確実性という点では「現金」の相続も有効です。本記事では、相続時の現金と不動産のメ

リット・デメリットを中心に、相続対策を解説します。

 

1. 相続対策はなぜ生前必要?

 

相続対策に関するセミナーや書籍などでは、生前から対策を開始するように説明されていることが多いでしょう。では、なぜ相続対策は生前からが重要なのでしょうか。

 

相続の開始は家族が亡くなられて始まるものです。始まってから(被相続人が亡くなってから)できる対策は、実は非常に限られてしまいます。そこで、本章では生前から相続対策をすべき3つの理由を解説します。

 

1-1 納税資金を用意するため

 

相続税は、原則として「被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内」に「現金」で一括納付しなければなりません。

 

もしも遺産のほとんどが不動産で、手元の現金が少ない場合、納税のために大切な不動産を急いで売却せざるを得ないケースがあります。こうした手続きでは市場価格より安く買い叩かれるリスクもあります。生前に資産構成を見直し、納税に必要なキャッシュを確保しておくことは、家族の生活を守ることに直結します。

 

1-2 相続人間のトラブルを防ぐため

 

相続が始まると「争続(そうぞく)」となり、家族間で争いが生じるケースもあります。

例として不動産は、現金のように1円単位で分けることができません。「長男が実家を継ぎ、次男には何を渡すのか」といった不公平感があると火種となります。生前に、誰にどの資産を渡すのかを明確にし、必要であれば代償分割(不動産を継ぐ人が他の相続人に現金を支払う仕組み)の準備をしておくことで、親族間の亀裂を防げます。

 

 

1-3 相続時に必要な手続きを把握しておくため

 

相続手続きは、戸籍謄本の収集から遺産分割協議書の作成、不動産の登記申請(名義変更)、相続税の申告など多岐にわたります。生前に「どこにどのような資産があるか」をリスト化し、専門家へ相談しておくことで、残される家族の負担を軽減できます。

 

2. 相続には現金と不動産のどちらが有利?

 

相続で資産を引き継ぐ際には、現金と不動産のどちらで相続をするべきか悩んでいる人も多いでしょう。そこで、本章ではどちらが有利なのかメリット・デメリットを交えながら解説します。

 

関連記事:不動産を相続したらどうする?6つの節税アイデアを徹底解説

 

2-1 現金で相続するメリット・デメリット

 

①メリット

現金を相続する最大の強みは「分けるのが容易」であることです。1円単位で分割できるため、相続人同士で不公平感が出にくく、遺産分割協議がまとまりやすいという特徴です。また、前述の通り相続税は現金納付が基本であるため、納税資金としてそのまま充当できる安心感もあります。

 

②デメリット

税務上のデメリットがあり、額面通りの相続税評価額となります。不動産には小規模宅地等の特例など、節税効果のある特例が用意されていますが、現金には用意されていません。(※)相続税への圧縮効果が働かないため注意が必要です。

 

(※)財産の種類問わずに適用できる配偶者の税額控除などは用意されています。

 

2-2 不動産で相続するメリット・デメリット

 

①メリット

不動産相続の最大のメリットは、相続税評価額を時価(市場価格)よりも低く抑えられる点です。一般的に、建物は固定資産税評価額(時価の約5070%程度)、土地は路線価(時価の約80%程度)で評価されます。さらに、賃貸用不動産であれば「借家権」や「借地権」による控除が適用され、大きく評価が下がることも珍しくありません。特例も用意されているため、現金よりも相続税のメリットがあります。

 

②デメリット

不動産はすぐに現金化することが難しく、維持管理費(固定資産税、修繕費、管理費)も継続的に発生します。また、「誰が継ぐか」で揉めやすく、共有名義にしてしまうと将来の売却や活用に全員の合意が必要になります。有効活用しにくい山林などの不動産では、負動産となり、重い負担を感じる方も少なくありません。

 

2-3 相続税が安くなるのはどちら?

 

「相続税額を節税する」という点においては、不動産による相続が有利です。例えば、1億円をそのまま現金で持っている場合、評価額はそのまま1億円です。しかし、この1億円で収益物件を購入した場合、相続税評価額はある程度まで下がる可能性があり、収益も継続的に発生します。

 

■ポイント! 現金よりも不動産の方が相続税を抑える効果が高い

 

3. 不動産所有が多い方向けのおすすめの相続対策とは

 

すでに多くの不動産を所有している、あるいは現金を不動産に換えて対策を検討している方が知っておくべき相続対策とは、一体どのようなものでしょうか。本章で詳細を解説します。

 

3-1 相続税に適用できる特例などを生前から把握する

 

不動産相続において、最も強力な節税武器となるのが「小規模宅地等の特例」です。

 

  • 特定居住用宅地等: 亡くなった人の自宅敷地について、330㎡を上限に評価額が80%減額されます。
  • 貸付事業用宅地等: アパートや駐車場の敷地について、200㎡を上限に評価額が50%減額されます。

 

これらの特例を適用できるかどうかで、納税額が大きく変化します。同居要件や家なき子特例などもあるため、生前に要件を満たしているか確認しておくことが必須です。この他にも、不動産には相続後の売却に関する取得費加算の特例などもあります。

 

3-2 納税資金が不足していないか計算する

 

「資産はあるが、現金がない」状態の場合、相続税の納税時に苦労する可能性があります。生前から現在の資産をすべて評価し、予想される相続税額を算出してみましょう。もし現預金が税額を下回るようであれば、以下の対策を検討します。

 

  • 生命保険の活用(非課税枠:500万円 × 法定相続人数)
  • 収益性の低い不動産の早期売却
  • 生前贈与による資産の移転 など

 

3-3 不動産相続で揉めないように遺言書を作る

 

不動産が複数ある場合や、特定の相続人に自宅を継がせたい場合は、遺言書の作成が欠かせなくなっています。

 

遺言書があれば、遺産分割協議を経ずに不動産を取得できるため、話し合いによる相続人間の争いを未然に防ぐことができます。法的に不備のない「公正証書遺言」を作成することをおすすめします。

 

3-4 不動産の有効活用や売却を進める

 

「負動産(負の遺産)」となっている土地がある場合、生前から有効活用や売却を進めることも重要です。将来誰も住む予定がなく、収益も生まない土地は、管理費や固定資産税などが家族の負担となります。

 

  • 売却
    現金化して分割しやすくする
  • 買い替え
    収益性が落ちている不動産などを売却し、買い替える
  • アパート建築
    現金を投入して建物を建てることで、相続税の評価額を大幅に圧縮する

 

不動産の有効活用などを検討する際は、目先の節税だけでなく、「その不動産が将来にわたって収益を維持できるか」という経営的視点も押さえておきましょう。

 

3-5 不動産の相続対策は誰に相談する?おすすめの相談先とは

 

相続は「税金(税理士)」「名義変更(司法書士)」「分割の争い(弁護士)」など、複数の専門領域が絡み合います。しかし、入り口として最も適しているのはどこでしょうか。本章で解説します。

 

関連記事:町田の相続は司法書士に相談すべき?依頼のタイミングや費用を解説

 

3-6 地域の不動産屋への相談がおすすめ

 

まずは「地元の不動産会社」への相談がおすすめです。相続対策の根幹は「不動産の適正な価値を知ること」から始まります。税理士が計算に使う「路線価」はあくまで税務上の数字であり、実際の売却価格とは乖離(かいり)があります。

 

  • その土地が今いくらで売れるのか
  • 賃貸に出せるのか、売るべきなのか
  • 相続に強い司法書士との連携はあるか

 

地域の不動産会社は、その土地のニーズを最も熟知しています。まずは所有不動産の「健康診断」を受けるつもりで、査定を依頼してみるのが第一歩です。

 

4.まとめ

 

相続において、現金と不動産のどちらが有利かは、単純な節税額だけでなく「家族がどう暮らしたいか」によって異なります。

 

  • 節税を最優先するなら、現金を不動産に換えて評価を圧縮する。

 

  • 円満な分割や納税の安心を優先するなら、一定の現金を確保しておく。

 

大切なのは、ご家族の状況に合わせた「バランス」です。何も対策をせずに「不動産ばかりで現金がない」状態で相続を迎えると、残された家族に大きな負担がかかってしまいます。

 

町田市の「まねきや不動産」は司法書士事務所を併設しており、不動産のプロとしての知見と、法務の専門的な知識の両面から、お客様に最適な相続対策をサポートいたします。将来の不安を安心に変えるために、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

 

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