相続人が連絡を無視したらどうする?遺産分割協議の進め方と注意点

相続を進める際に、複数の相続人がいる場合は連絡をし、遺産分割協議へ参加してもらう必要があります。しかし、連絡を無視される、返事がない場合にはどのような対処が必要となるでしょうか。そこで、本記事では相続人に連絡をしても返事がない場合の対処法について、遺産分割協議の進め方や注意点を中心に解説します。

 

1. 被相続人のご逝去後にすべき連絡とは

 

相続手続きは、被相続人が亡くなった直後からさまざまな連絡を行う必要があります。誰に、どのタイミングで、何を伝えるべきかを整理しておくことで後々のトラブルを防ぎやすくなります。まずは本章で全体像を押さえておきましょう。

 

1-1 被相続人のご逝去を知らせる連絡

 

被相続人が亡くなった際には、まず親族や関係者へ訃報を伝えます。この時点で、相続人となる可能性のある人物をできる限り把握しておくことが、後の遺産分割協議をスムーズに進めるために欠かせません。疎遠な親族がいる場合は、被相続人の戸籍謄本類を確認しながら漏れなく洗い出しておきましょう。

 

1-2 遺言書に関する連絡

 

遺言書の有無を確認し、存在する場合はその内容を相続人全員に共有する必要があります。自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認手続きも必要になるため、早めに動くことが大切です。公正証書遺言であれば検認は不要ですが、いずれの場合も内容を速やかに関係者へ知らせることが求められます。

 

1-3 遺産分割協議に関する連絡

 

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。協議を始める前に、まずは相続人全員に協議への参加を呼びかける連絡を行います。電話やメールを把握できていない相続人がいる場合は、手紙にてお知らせすることが一般的です。

 

2. 相続人に連絡をしても無視される場合の遺産分割協議とは

 

相続人に電話をしたり、お手紙を送ったりしても反応がない・無視されてしまう場合には、遺産分割協議が進められません。しかし、遺産分割協議は相続人全員の参加が必要となるため、注意が必要です。そこで本章では無視されている場合の遺産分割協議について解説します。

 

2-1 無視の放置は厳禁

 

連絡を無視されたからといって、そのまま放置してしまうと相続手続き全体が進まなくなります。不動産の名義変更や預貯金の解約など、多くの手続きは相続人全員の関与が前提となるため、早い段階での対応が欠かせません。「参加しないならいいや」と遺産分割協議を進めても無効となるため控えましょう。

 

2-2 相続放棄も可能であると伝える

 

相続に関わりたくないという理由で連絡を無視している相続人もいます。そのような場合は、相続放棄という選択肢があることを伝えると、返答を得られることがあります。相続放棄には申述期限(相続の開始を知った日から3か月以内)があるため、あわせて説明すると効果的です。すでに相続放棄をしている可能性もあるため、その旨の連絡をいただけるようにお願いしましょう。

 

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2-3 専門家に相談し連絡してもらう

 

家族間の感情的なもつれなどの複雑な背景から連絡を無視されている場合、当事者同士でのやり取りが困難なケースは少なくありません。こうした場合は、司法書士などの専門家に間に入ってもらい、第三者として連絡してもらうことで冷静な対応を引き出せる場合があります。

 

2-4 遺産分割調停の申立てを行う

 

遺産分割協議に応じてもらえない場合は、家庭裁判所へ遺産分割調停の申立てを行う方法があります。調停委員を介して話し合いを行うため、直接のやり取りを避けながら手続きを進められます。家庭裁判所から調停が開始されるなどの呼び出しが行われるため、応じてくれるケースも少なくありません。

 

調停でも合意に至らない場合は、遺産分割審判へ移行します。審判では裁判官が一切の事情を考慮したうえで分割方法を決定するため、相続人の合意がなくても手続きを終えることが可能です。

 

参考URL  裁判所 遺産分割調停 

 

3. 相続人の住所がわからない場合はどうする?

 

手紙を送りたくても相続人の住所がわからない場合には、どのように対処すればよいでしょうか。そこで、本章では住所の調べ方や、相続人の所在が把握できない場合の対処法を解説します。

 

3-1 住民票や戸籍の附票を取得する

 

相続人の住民票や戸籍の附票を取得すれば、現在の住所を確認できます。まずは戸籍を辿って所在地を特定することが基本的な対応です。相続人であることを証明できれば、他の相続人の戸籍の附票を職権で取得することも可能です。手続きに不慣れな場合は、司法書士などの専門家に代行を依頼するとスムーズです。

 

3-2 不在者財産管理人の選任を申し立てる

 

住所は判明しても本人と連絡が取れない、あるいは行方が完全にわからない場合は、家庭裁判所へ不在者財産管理人の選任を申し立てる方法があります。選任された管理人が本人に代わって遺産分割協議に参加します。

 

参考URL  裁判所 不在者財産管理人選任

 

3-3 長期間行方不明な場合は失踪宣告も検討する

 

相続人の生死不明の状態が7年以上続いている場合には、失踪宣告という制度を利用できます。失踪宣告が認められると、その相続人は法律上死亡したものとみなされ、他の相続人だけで手続きを進められるようになります。失踪宣告は不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所へ申立てを行います。

 

参考URL  裁判所 失踪宣告 

 

4. 相続人が連絡を無視する場合の注意点

 

相続人に連絡をしても無視をされている場合、相続手続きには通常時とは異なる注意点が生じます。本章では遺産分割時や準確定申告の注意点を紹介します。

 

4-1 一部の相続人を除いた遺産分割協議は無効

 

繰り返しですがたとえ連絡が取れない相続人がいたとしても、その人を除いて行った遺産分割協議は無効です。不在者財産管理人の選任など、正式な手続きを経ずに協議を進めてしまうと、後になって手続きをやり直す必要が生じるため注意しましょう。

 

4-2 準確定申告が必要な場合は急ぐ必要がある

 

被相続人に不動産収入などの一定の所得があった場合、相続人は死亡を知った日の翌日から4か月以内に準確定申告を行う必要があります。連絡が取れない相続人がいて手続きが滞っている間にも期限は進むため、並行して準備を進めることが大切です。なお、準確定申告を提出する際には、他の相続人の氏名を附記して各人が別々に確定申告書を提出することもできます。ただし、遅滞なく他の相続人に申告した内容を通知する義務があるため、音信不通の相続人の氏名も必ず記載してください。

 

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5. 相続人が連絡を無視する場合のよくある質問

 

相続人に連絡がつかないと手続きが進まないため負担を感じるものです。そこで、本章では相続人が連絡を無視する場合における、よくある質問を紹介します。

 

5-1 相続人と連絡がつかないのはなぜですか?

 

相続人と連絡がつかない、というケースは意外と多く家族間の不仲や相続への無関心、遠方への転居、あるいは負債を相続したくないという心理的な抵抗など、理由はさまざまです。単純に連絡先が古いままで届いていないケースもあるため、落ち着いて住所の特定を進めましょう。

 

5-2 連絡がつかない場合誰に相談できますか?

 

司法書士や弁護士など、相続手続きに詳しい専門家へ相談することが有効です。特に不動産が絡む相続では、名義変更の手続きにも精通した司法書士に相談することで、戸籍調査による所在確認から連絡、遺産分割協議書の作成、名義変更の登記まで一貫してサポートしてもらえます。

 

5-3 相続人が海外にいる場合はどうする?

 

海外在住の相続人がいる場合であっても、相続人の地位から外すことはできません。メールや国際郵便などを通して連絡する必要があります。現地の日本領事館を通じた連絡が必要になることがあります。海外に居住している場合、印鑑証明書や住民票など相続時に必要な書類がないため日本大使館や領事館でサイン証明を取得してもらうなど、通常とは異なる書類が必要です。早めに専門家に確認しながら進めましょう。

 

6.まとめ

 

相続人に連絡をしても返事がない場合、放置せずに早めに準備を進めていくことが大切です。専門家に相談する、調停や審判を申し立てるなど、状況に応じた方法を選びましょう。また、住所が分からない場合には不在者財産管理人の選任や失踪宣告といった制度も活用できます。

 

連絡が取れない相続人がいてお困りの方は、相続手続きの経験が豊富な司法書士事務所へ早めに相談することをおすすめします。町田市周辺で相続にお悩みの方は、司法書士事務所併設のまねきや不動産までお気軽にご相談ください。

 

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