相続時の不動産売却における注意点 扶養から外れるって本当?

「町田市の実家を相続したけれど、管理が大変だから売却したい。でも、売却代金が入ったら夫()の扶養から外れてしまうのではないか?」

 

相続で不動産を取得した後に、売却を検討する方は決して少なくありません。相続後一定期間以内の売却には控除なども用意されているため、早期に手放したいと考えている人も多いでしょう。

 

では、もしも取得した不動産を売却したら、所得の増加によって扶養から外れてしまうことはあるのでしょうか。本記事で不動産売却における扶養の注意点を解説します。

 

1. 相続不動産の売却で「扶養から外れる」ケースとは?

 

相続した不動産を売却するケースは決して少なくありません。空き家のまま放置するとトラブルやコスト増のリスクがあるためです。では、現在扶養されている方が相続人であり、取得した相続不動産を売却すると、現在の扶養についてはどうなるのでしょうか。

 

1-1 収入によっては外れることがある

 

不動産を売却すると譲渡所得が発生するため、場合によっては扶養から外れる可能性があります。しかし、扶養については以下の点を踏まえておく必要があります。

 

①社会保険上の扶養

健康保険と厚生年金を意味する社会保険上の扶養です。不動産の売却によって一時的に収入が増えた場合は、社会保険の扶養の要件である継続的な収入とは言えないため、扶養を外されてしまうことはありません。一方で、収益物件を取得し売却しない場合は継続的な収入があると扶養は外れる可能性が高いでしょう。

 

②税金上の扶養

所得税・住民税の扶養についてはどうでしょうか。こちらは相続不動産の売却に利益がないケースなどでは外れないですが、高額の譲渡所得を得た場合には扶養を外れてしまうおそれがあります。

 

つまり、扶養と言っても社会保険と税金上の2つの考え方があるため、分けて考える必要があります。

2. 税金上の扶養から外れるとどのような影響がある?

 

「扶養の範囲内で働きたい」と考えている方の多くは、いわゆる「年収の壁」を意識しているのではないでしょうか。先に触れたように扶養には、大きく分けて「税金上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類が存在し、外れると本人の手取り額や世帯の支出に大きな変化が生じます。そこで、本章では扶養を外れた場合に生じる影響について解説します。

 

2-1 所得税と住民税の納税が発生する

 

ご本人の年収が一定の基準を超えると、税金(所得税・住民税)上の扶養から外れ、ご本人自身へ納税義務が発生します。配偶者控除・配偶者特別控除にも注意が必要です。

 

所得があった年に養っていた親族を、同一生計配偶者または扶養親族といい、同一生計配偶者または扶養親族を申告するには、以下2つの要件を満たす必要があります。

 

  • 同一生計配偶者または扶養親族の合計所得が58万円以下(給与収入でいうと123万円以下)
  • 他の人の同一生計配偶者または扶養親族として申告されていないこと

 

実際の計算は専門家へ相談しながら確認することがおすすめです。税金上の扶養から外れると、これまでかかっていなかった「所得税」と「住民税」がダブルで課税されるため注意が必要です。

 

2-2 配偶者の納税額が一時的に増える

 

扶養から外れることによる影響は、本人だけに留まりません。本人が配偶者の扶養(主に妻が夫の扶養、またはその逆)に入っている場合、本人の年収が増えることで、配偶者側の税金も高くなります。

 

3. 相続不動産の売却で得られるメリットとは

 

相続した不動産を売却する場合、適切なタイミングで売却することが大切です。賢く売却することで金銭面・管理面において非常に多くのメリットを得られます。そこで、本章では相続不動産の売却メリットを解説します

 

3-1 固定費・税金の負担がなくなる

 

不動産は、ただ所有しているだけで維持費や税金が発生する資産です。売却して手放すことにより、継続的な固定費や税金の負担から解放されます。

 

具体的には、以下のようなコストが一切かからなくなります。

 

  • 固定資産税・都市計画税(毎年必ず発生する税金)
  • 管理費・修繕積立金(マンション等)
  • 維持管理費用(戸建ての庭木の剪定、建物の修繕、空き家対策の通水・換気にかかる費用)
  • 火災保険・地震保険料

 

特に相続したものの誰も住む予定がない「空き家」や「地方の土地」を放置していると、毎年の税金や管理の手間・コストだけが重くのしかかり、家計を圧迫する原因になります。これらを売却して現金化すれば、維持費の支払いがストップするだけでなく、将来的には次の相続時に発生する負担も解消されます。

 

3-2 相続後一定期間以内の売却には優遇がある

 

不動産を売却して譲渡所得が出た場合、原則としてその利益に対して譲渡所得税がかかります。しかし、相続した不動産を「一定の期間内」に売却する場合に限り、税負担を大幅に軽減できる強力な優遇措置(特例)が用意されています。

 

代表的なものが「取得費加算の特例」です。これは、相続税を支払った人が、相続開始のあった日の翌日から310か月以内にその不動産を売却した場合、支払った相続税の一部を不動産の「取得費(経費)」に加算できるという制度です。

 

取得費が増えることで、売却益(課税対象)が小さくなり、結果として譲渡所得税を大幅に安く抑えることができます。

 

また、相続した実家が空き家になった場合に使える「空き家の3000万円特別控除」も、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の1231日までに売ることなどの要件を満たせば適用できます。

 

相続した不動産は「いつ売っても同じ」ではありません。相続後迅速に売却を進めることで、国からの税制優遇をフルに活用できる可能性があります。

 

参考URL 国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

     国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

 

4. 不動産は相続前に専門家へ相談することもおすすめ

 

不動産のトラブルや税金対策は、いざ「相続が始まってから(亡くなってから)」動き出しても、選択肢が限られてしまうケースが少なくありません。「相続前」に不動産会社や税理士などの専門家に相談しておくことで、より有利で柔軟な資産引き継ぎが可能になります。相続前に専門家へ相談するメリットは、主に以下のとおりです。

 

4-1 収益のある不動産は贈与も検討できる

 

アパートやマンション、貸しビルなど、毎月一定の家賃収入を生み出している「収益不動産」を所有している場合は、相続を待たずに生前贈与を検討することもおすすめです。

贈与税は相続税よりも高くなるものの、贈与後に発生する収益は受贈者(贈与を受け取る人)のものとなるため、結果的に相続財産を減らすメリットがあります。

 

4-2 様々な有効活用をシミュレーションできる

 

「この土地は売るべきか、それとも何か建てるべきか」という悩みに対し、専門家は不動産市場の動向や地域のニーズを踏まえた、多角的な有効活用シミュレーションを提示してくれます。

 

  • 更地のまま売却して現金で分ける
  • 賃貸アパートや戸建て賃貸を建てて、毎月の安定収入と相続税評価額の引き下げを狙う
  • コインパーキング(駐車場)やトランクルームとして、初期投資を抑えて運用する
  • 家族信託を活用し、親の認知症対策をしつつ管理を子に託す

 

土地の立地や形状、家族の経済状況によって正解は異なります。専門家に相談することで、「自分たちでは思いつかなかった最適な運用の選択肢」が見つかり、資産価値を最大化させることができます。

 

関連記事:相続対策に「家族信託」は必要?仕組みやメリット・デメリットを解説

 

4-3 生前に売却で現金化するメリット・デメリットを学べる

 

相続前に不動産を売却して「現金化」しておくこと(生前売却)にも、特有のメリットとデメリットがあります。

 

相続不動産を売却するメリット

相続不動産を売却するデメリット

維持費・税金のコストがなくなる

不動産から現金に変わることで評価額が下がらなくなり、相続税が上がるリスクがある

納税資金の確保原則「現金一括納付」である相続税の支払い原資をあらかじめ用意できる

譲渡所得税の発生リスク売却益が出た場合、所得税・住民税の支払いが必要になる

管理する財産を減らせる終活の効果がある

自宅を売却する場合、転居先の手配や引っ越し費用、新たな家賃等が発生する。

元気なうちに、納得のいく価格やタイミングで売却できる

一部の不動産は小規模宅地等の特例の適用が使えなくなる

 

生前に相談しながら不動産のゆくえを決めることで、こうした内容を適切に把握することが可能です。

 

関連記事:相続には現金と不動産のどちらが有利?おすすめ対策を解説

 

5.まとめ

 

本記事では、相続不動産の売却によって税金や社会保険の扶養から外れた際の影響を中心に解説しました。扶養から外れる場合一時的な影響を与えますが「将来の維持費」「税制の優遇期限」といった多角的な視点からタイミングを計る必要があります。場合によっては生前から対策を行うことで、問題を早期に整理する方法も検討できます。

 

まずはお気軽に町田市・相模原市を中心に多くの相続不動産のご相談に対応しているまねきや不動産へご相談ください。

 

 

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