不動産相続でも相続税はかからない?知っておきたいケースを解説
「不動産を相続するけど相続税はいくらになるだろう」
「不動産の価値が上昇していると聞くが、生前対策は必要か知りたい」
東京都内をはじめ、都内近郊は不動産人気が高まっており、相続税を機にされる方が増加しています。しかし、不動産相続であっても相続税がかからないケースもあることをご存じでしょうか。そこで、本記事では相続税がかからない主なケースから生前対策について詳しく解説します。不動産相続を迎える方や、今後ご予定される方は是非ご一読ください。
1. 不動産相続でも相続税がかからない主な4つのケースとは
不動産を所有している場合、相続税が気になる方は多いでしょう。しかし、相続税は「誰もが支払う義務がある」わけではありません。特定の条件を満たしている場合、相続税の負担はゼロになる可能性があります。本章では相続税がかからない主な4つのケースを解説します。
1-1 相続財産の総額が基礎控除以内のケース
相続税には「基礎控除」という控除額が設定されています。
相続税の基礎控除 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
例として、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合、基礎控除は3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円です。
相続財産の総額(土地、建物、現金、有価証券など全てを含む)がこの基礎控除以内であれば、相続税申告自体が不要です。また、相続財産からは被相続人名義の債務(ローンなどの借金)や葬祭費用を差し引けるため、差し引いた上で基礎控除を適用します。
1-2 配偶者の税額控除を利用したケース
夫や妻が亡くなり、残された配偶者が相続人となる場合は「配偶者の税額控除」と呼ばれる控除を相続税に適用できます。
配偶者が相続した財産のうち、以下のいずれか大きい方の金額までは相続税がかかりません。
- 法定相続分相当額
- 1億6,000万円
つまり、配偶者が相続した不動産の評価額が法定相続分相当額か1億6,000万円以下であれば、相続税はかかりません。夫婦で築いた資産の大半が不動産というご家庭では、この特例により相続税がゼロになるケースもあります。
1-3 小規模宅地等の特例を利用したケース
不動産相続がある場合で重要な特例の一つが「小規模宅地等の特例」です。この特例により、特定の条件を満たす宅地の評価額を最大80%まで減額できます。被相続人が所有していた宅地だけではなく、事業用であっても要件を満たしていれば対象です。
町田市や相模原市などのように、都市部と郊外が混在する地域では、この特例の恩恵は極めて大きいケースがあります。ただし、適用要件もあるため注意が必要です。詳しくは以下国税庁リンクをご確認ください。
参考URL 国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
1-4 相続放棄をしたケース
被相続人名義の債務が大きい場合などは「相続放棄」を検討する場合があります。相続放棄を選択すると相続税はもちろん、借金などの債務も引き継ぎません。
ただし、相続放棄には期限があります。被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てることとなっており、熟慮期間以内に方針を決める必要があるのです。
債務がいくらあるかわからないなど、相続財産の詳細が不明な場合、この期限内に判断を迫られることになるため、早期の専門家相談が不可欠です。場合によっては「限定承認」と呼ばれる手続きも検討できます。
限定承認とは被相続人の財産を相続するにあたり、「プラスの財産の範囲内でのみ、マイナスの財産(借金など)を相続する」とする方法です。この方法は相続人全員の同意がいるほか、複雑な手続きを要するためあまり利用されておらず、注意が必要です。
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2. 生前対策で相続税を下げられるケースとは
「相続が発生してから相続税の対策する」という方が多いですが、適用できる特例や控除は限られているため、生前から対策を進めることが大切です。生前から計画的に対策することで、相続税を軽減できます。そこで、本章では生前対策の知識を紹介します。
2-1 贈与で計画的に財産を減らす
相続発生前に財産を家族へ贈与することで、相続時の課税対象となる財産を減らせます。主な贈与方法は以下の通りです。
・暦年贈与
財産をお持ちの方(贈与者)から、財産を受け取る方(受贈者)へ一定額を贈与する方法です。年間110万円までの贈与であれば贈与税がかかりません。例としてあらかじめ生前から複数の相続人に対して贈与することで財産を減らすことが可能です。
・おしどり贈与(贈与税の配偶者控除)
配偶者への居住用不動産の贈与に適用される特例です。婚姻期間が20年以上の夫婦の場合、配偶者へ居住用の不動産(またはその購入資金)を贈与する際、基礎控除額の110万以外に2,000万円までが非課税となります。
2-2 不動産評価額を下げる対策を進める
不動産の評価額そのものを低くすることで、相続税の計算基準となる課税価格を削減する方法もあります。
一例として、駐車場や賃貸物件として不動産を活用すると、評価額が下がる可能性があります。これは小規模宅地等の特例と異なり、不動産の用途変更による評価減です。町田市や相模原市のような流動性のある不動産市場では、専門家の助言を基に、不動産の活用方法を見直すだけで評価減が実現することもあります。
2-3 不動産の売却や活用を進める
相続前に不動産を売却し、現金化する方法も考えられます。一般的に不動産のまま相続する方が現金よりも相続税評価額が低くなり節税には有利ですが、手元に納税資金や生活資金を確保しておきたい場合は、生前に売却して現金化しておく方法もおすすめです。
また、売却代金を有効活用(新たな投資やより有益な不動産の取得)することで、資産価値を上げる方法も検討できます。相続人にとって管理しやすい形への転換は、将来のトラブル防止にもつながります。
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3. 不動産相続で相続税に悩む事例とは
実際の相続の現場では、予想外の相続税負担に直面する方は決して少なくありません。そこで、本章ではよくある相続税の悩みの事例を紹介します。
3-1 予想以上に評価額が高かった
「思っていた不動産の相続税評価額と実際の評価額が大きく異なっていた」というケースは珍しくありません。特に都市部(町田市や相模原市も含む)の不動産は、時間とともに取得時よりも評価が上昇している可能性があります。相続時になって初めて「思った以上に相続税がかかる」と判明することが多いため注意が必要です。
3-2 納税資金を準備していなかった
相続税は「現金での一括納付が原則」です。評価額の高い不動産を相続した場合、その税負担に見合う現金が用意されていないケースも発生しています。やむなく不動産などを売却して納税する羽目になり、本来相続したかった財産を手放さざるを得ないケースもあります。
3-3 遺産分割協議が難航した
複数の相続人がいる場合、不動産をどう分けるかについて意見が対立することがあります。相続人全員が納得する遺産分割ができない場合、相続税の期限を迎えてしまうリスクがあります。相続税の申告期限は遺産分割の未了を理由に延長できないため、法定相続分どおりに相続したとして一旦申告する必要があります。
4. 不動産の贈与時における2つの注意点
贈与には主に2つの注意点があります。相続時精算課税制度と相続税の持ち戻しの2点です。
相続時精算課税制度は、原則60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫へ財産を贈与する際に選択できる制度です。累計2,500万円までの贈与には贈与税がかからず、まとまった資産を早期に移転できます。
また、2024年の税制改正により、年110万円の基礎控除が新設されています。しかし、一度この制度を選択すると暦年贈与へ戻すことはできません。贈与時は非課税ですが相続時に贈与財産と相続財産を合算してまとめて相続税を精算するため、納税の先送りとも言える制度です。
相続税の持ち戻しとは、生前贈与は相続直前に行っても「持ち戻し」となるしくみを意味します。せっかくの贈与が節税にならず、早めに計画的に行う必要があります。令和6年1月1日以降の贈与から持ち戻し期間が段階的に3年から7年に延長されているため、これまで以上に早期に贈与を進めることが望ましいでしょう。
5.まとめ
不動産相続であっても、相続税がかからないケースは決して珍しくありません。基礎控除内で収まっている場合や、特例や控除を利用することで相続税負担をゼロにすることも可能です。また、生前から備えて対策を進めることで相続税を下げる方法もあります。
不動産相続のお悩みやご不安は、まねきや不動産へお気軽にご相談ください。町田市・相模原市などでの豊富な実績を持つ私たちが、最適な相続対策をご提案いたします。